李氏 馬邈の妻 江油城と共に散る
どうも! 諸葛菜ですっ! 前回、大反響だった無責任大将馬邈の奥様、李氏です。
演義での登場回は第117回。
鄧艾が陰平の険を越え、江油城へ迫る。 鄧艾軍も山越えでヘトヘトになっており、その数も決して多くは無い。江油城から打って出て、鄧艾軍を強襲すれば、守れる気がするのだが・・・。城主、馬邈様は姜維が剣閣を固めているのをいいことに、全く用心していない。
腰抜け夫に会心の一撃!
奥様の李さんだけがこれをひどく心配していました
ある日、旦那と火桶を囲んで酒を飲んでいると、
「あなた、国境よりひんぴんと急を告げてきているとか聞いておりますのに、旦那様はこんなに落ち着いていらっしゃって、よろしいのでございますか?」
心配する妻をよそに、余裕をかます馬邈に、秘計もあり大器量なのかと一瞬でも期待を持った高校の頃の私は甘かった・・・。
「大事は姜維が握っておるから、わしの知ったことか」
熱い李氏のこと、この時点で額に青筋を浮かべていたことでしょうが、何とかこらえています。
「それはそうでござりましょうが、天子さまよりお預りしたこの城をゆるがせにはできますまいむかっ」
「劉禅が黄皓の言うことばかり聞いてるし、酒と女にはまってる。蜀はどうせ滅びる。魏軍が来たら降参すればよい」
これを聞いた李氏は怒り心頭!
おもむろに立ち上がり、雑兵たちから「鉄扇」と呼ばれている右平手で、夫馬邈のたるみきった頬を打ち据えた!
まあ、本当は、夫の顔に唾を吐きかけただけなんですが。(もっとひどいよなあ・・・(汗))
「あなたは男と生まれながら、戦わぬ先から不忠不義の心を抱き、知行をただ取りしているのですかっ!あなたの顔なぞ二度と見たくもありません!」
馬邈は恥じ入って返す言葉も無い。
降伏後、義人として崇められる
鄧艾軍到着。
↓
馬邈、速攻で土下寝して降服。
↓
鄧艾の道案内役に
そこへ、馬邈の夫人が自らくびれて死んだという知らせがはいりました。鄧艾は李氏の賢さ、義に感じ入り、手厚く葬りました。
後の人がたたえた詩に、
亡国に殉じた李氏。
李氏が男だったら、江油城を守りきることはもちろん、蜀を救うこともできたのにと思ってしまいますね。