両晋演義、東西晋演義 三国時代の後を描いた本だけれども…?

どうも!

諸葛菜です。

手つかずの三国志演義武将達も、後半の末期に来ているのでどうしても司馬炎西晋絡みの話になってしまいます。

前回、晋の悪玉菌馮紞(フウタン)賈充よりも性悪なの?晋の時代の佞臣について書きましたが、やっぱり蜀が滅んだ後から晋が呉を併呑するまでの地味で凡将ばかりの時代が気になります。

そんな思いは私だけでなく、三國無双7で文鴦や司馬師など晋キャラを使ったプレイヤーであれば少なからず、蜀滅亡後のあの時代に思いをはせたはずです!

馮タンの資料を探していた時にふと見つけたのがこちら。

 

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『両晋演義

こんなんあるんですな!もちろん中国語ですけど、めっちゃ気になります!

中国人の書評家のレビューがありましたので、それを翻訳してみました。

『両晋演義』のレビュー訳

西晋を題材に書かれた小説である。東西晋接触したことのある大半の人がよくご存知の蔡東藩が書いた<中国歴代通俗演義の東西晋演義>だ。

全話100回。この本は中国の4大名著(三国志水滸伝西遊記紅楼夢)には遠くおよばないことは、予めご承知置きたいところだ。

一話一話のつながりが薄く、物語全体に筋が通っておらず、登場人物が多く登場するだけ。この物語は三国演義のような個性ある人物は登場せず、水滸伝のような派手な描写もない。紅楼夢西遊記と比べても…例に上げる必要もあるまい。

これらが…西晋の物語が四大奇書の仲間入りを果たせない大きな原因だろう。

 

『東西晋演義』のレビュー訳

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晋の物語と言ったら、明朝の楊爾増の著書『東西晋演義』を上げることができる。 この本は350回からなっており、「王濬と王渾が大功を争う」から物語が始まる。

読み終わった率直な感想だが、この本は上述の『両晋演義』に及ばないことだ。

この小説は時系列に資料をすくい上げた後、それに各話のタイトルを付け足しただけである。物語の文章には白話文(話し言葉)が所々用いられており、これだったら資料を丸写ししたほうがましであろう。

もし、この小説の良い所を無理矢理にでも挙げてみろというのなら、『両晋演義』よりも内容が少し多いくらいだろう。まあ…この小説は時系列に並べ立てた記録だ。

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演義』と書いてあれば売れると思っている節が

ふむ…。

本の表紙を見た時は絶対に読みたい!と思いましたが、見事にこの気持を粉砕してくれました。

もし、中国に出張に行ったら絶対に新華書店で買ってやろうと思っていました^^; 危うく散財するところでありましたw

小説ではなく資料を貼り付けただけなのに、『演義』を名乗らせるのはいかがなものかなと。しかも、ストーリーに筋が通っていないなんて、物語としても小説としても致命的としか言いようがありません^^;。

ぱっと見なかなかの佇まいですし、『演義』の二文字が入っているだけで、買ってみようかなという気にはなります。

そういう意味でも『三国演義』と言うのはかなりのブランドですよね。『演義』がこれほどまでの影響力を持つようになるとは、巨匠羅貫中閣下も思わなかったでしょう。

日本も中国に負けないくらいに三国志関連の「トンデモ本」が書店にひしめいていますが、三国志後期諸葛亮孔明死後を扱った本は多くありませんよね。「呉が滅ぶまでをえがきました」なんて出版社に持って行っても、それこそ相手にされないかも(冗)。

両方共ダメダメな本。 駆け出しのエロ同人漫画家が描いた漫画未満の出来ということですね!

「後三国演義」ってえ物語も日本にある

私が高校生の頃、書店で「後三国演義」なる本を見かけましたが、定価が2000円以上。ちょっと手が出ないし、文庫本反三国志を読んで消化不良を起こしていたので、パラ見して立ち去った覚えがあります。

懐かしくなったのでアマゾンで検索したら、案の定ネットの片隅に転がっていました。

Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 1,331,866位 中古最低価格197円。 ※2013年11月2日時点。

このランキングはアマゾンでも相当な低ランクですよ!

気になる内容ですが、

三国鼎立時代の最後に天下を統一した魏は、権臣・司馬炎に国を奪われて晋の時代となったが、諸王の権力争いから朝政は乱れた。女道士・石珠と武人・劉弘祖の二人は、続々と集まる憂国気概の同志と結んで、天下平定のために晋都洛陽をめざす。智謀あり、武勇ありの、武術、妖術の入り乱れる混戦のうちに、首尾よく勝利の日を迎える痛快な歴史物語。 レビュー ☆4つ 曹操関羽諸葛亮も出ない三国志。なにせ、晋の時代の話である。 乱れた司馬氏の晋に現れた英雄、劉弘祖と石珠。 2人が新たな時代を切り開いていく、という三国演義をなぞったストーリーである。 この話、まんざら架空の話でもない。 劉弘祖は匈奴の英雄劉淵のことだし、石珠は石勒の母という設定である。 妖術も飛び交って、演義としても無難である。 もっとも、内容としては三国演義に及ぶべくもないが・・・ ☆1つ 中国には著作権が無い為に昔からベストセラーに肖ろうと無関係な続編や姉妹編を出版している一つです。三国志演義の続編ではありません。

リンク元後三国演義

ストーリー解説にある『妖術あり』が非常に気になります。

でも、三国志演義後半でも司馬昭が枯れた泉から水を噴かせたり、鐘会が心霊体験をして「ゾッとする話」をしてくれました。

演義に妖術はつきものとひとまず譲っておき、レビュー。

レビューが2つしかなく、☆4と1。 あながち架空の話ではないのが救いですが、☆1のレビューを見ると、三国志演義を読むテンションで読み始めると心を折られてしまうことがよくわかります。

っていうか、三国志じゃないのに三国を名乗るのはどーなんでしょう?

ただ、上記2冊の「晋演義」と比べて、開き直っている感があるので、そこは好感が持てます!

個人的には、中古で197円なので購入してみたいと思います。 アマゾンランキングが上がっていたら、諸葛菜が購入したと思ってください^^;。

三国志演義後半がとても好きな私ですから、多少の打撃を受けても耐えられるでしょう。いや、そもそも高校の頃のようにウブではないので、さらりと読ませてもらいます!