三国志(三国志演義)の挿絵がかなりぶっ飛んでいた
どうもっ!
諸葛菜です!
先日、近所の図書館にて「三国志 小川環樹、金田純一郎訳」を借りました。 前から気になっていましたが、中身は羅貫中の三国志演義(立間祥介訳)とほぼ同じ。
セリフや文章が微妙に違うだけで、内容的にはほとんど変わりません。
パラ見したら、挿絵がすごく個性的で突っ込みどころ満載なので孔明死の直前である第7巻、三国末期の第8巻を借りて来ました。
表紙はおとなし目で、あまり読みたいという気はそそられないです。三国演義…。表紙と題名が違うけど、まあいいです。
辱めを受ける魏将たち。三国志演義では楽綝(ガクチン)たちがヌードに。
魏将をあざける蜀の兵士たち
「おとといきやがれ~」 「楽チン・・・( ´,_ゝ`)」
エグいシーンが多数!
下の図は、孔明が五丈原で命を的に魏軍と戦をしているのに、後方から輸送中の食糧をネコババした苟安がしばかれているシーンです。
孔明は彼を死罪にしようとしました。 しかし、李厳の部下ということで、諸葛亮の側近たちは死罪だけは辞めてほしいと哀願。 李厳の顔を潰さないよう、結局、100叩きの刑に落ち着きました。
下記、現場です^^;
衝立に、処罰用のテーブル。 手足を拘束する徹底ぶり。
左端にリングドクターのように傍らに控える医師。 気付け薬でしょうか。笑顔でおわんに注いでいます。
奉行のナックルが背中にめり込んでいるように見えるんですが^^; 獄卒の方が奉行よりも強そうw
それと・・・ 苟安一人をしばくのに、スタッフ多すぎなっ!( ゚д゚)!
これだけの人数を狩りだすとは、孔明の怒りがひしひしと読者に伝わってきます。
名シーンも光るっ!
これは横山光輝三国志、吉川英治三国志の後半部分でお馴染みの名シーン。 馬岱が魏延の首をかっ飛ばしています。
ここまでが孔明の死の前後。
第7巻の挿絵でした。
苟安はともかく・・・他の挿絵は結構有名なシーンですよね。
三国志演義後半の挿絵
諸葛亮孔明死後の三国志演義の部分では、地味な話の展開を盛り上げるべく、描写に気合が入りまくっています。 三国志演義後半で、やっと呉にスポットがあたった!
呉の丁奉が、魏のモブ武将桓嘉 、韓綜を短刀で屠るシーン! 凛々しい丁奉。
呉が魏をこてんぱんにしたのは、三国志演義後半ではこの辺りだけか。
諸葛誕の亡霊
地味キャラが多い三国志演義後半で、随分と目を引きましたが、結局は小物臭を放ち、孫峻に暗殺されてしまいます。
諸葛恪の亡霊が妻の前に現れて、孫峻に殺されたことを伝える。
アンブレラ製諸葛恪
「え~、また今日もおお~?!妾の陳のとこへ行きなよっ」て顔していますね、奥さん
そんな場合じゃないです。
早く逃げて~!( ゚д゚)!
これらの絵全般に言えますが、『和』テイストが濃すぎですっ! 特に諸葛恪の亡霊は、江戸中期に妖怪画を描きまくった鳥山石燕先生の作品を意識したかのような出来栄えです!
姜維VS徐質!
正史とは違いますが、羅貫中は見事に虚構を織り交ぜ、三国志演義後半を盛り上げようとしてくれています。
蜀の張翼(チョウヨク)、廖化が連続して徐質にうちかかりますが、ても足も出ず。 計略を使って姜維が徐質を撃とうとしますが、結局は力押しっ!
ヘトヘトに疲れきった徐質に一騎打ちを挑み、勝利!
馬から突き落とされた徐質。
まさかりが超でけえっ!!( ゚д゚)
地獄絵図
下の絵を見たときは何がなんだかわかりませんでした。
よく見ると、姜維が王経に大勝利した時の『記念写真』でした。
妙な活気が溢れている仕分け作業。
流れ作業で黙々と仕事をする雑兵達
ザルにあふれる魏兵、魏将の生首
トウ艾、陳泰、郭淮にさんざん苦渋を舐めさせられていた姜維が、雍州に赴任間もないにわか将校王経に勝利した図です。万余の首を晒したというあの・・・陣頭指揮をとっているキャラが、何となく姜維のように見えてしまう。 晒している首は将校。 川に捨てている首はただの兵士のモノでしょうか。 死体を川に投げ入れるのは、今の某大国も変わらず。 先日はブタが2万頭以上流されましたし、魚が大量死。
三国志は1800年程前の話ですが、川上から首が流れて来たところで「あ、首だ」程度なんでしょうな。
乱世だし。
諸葛誕の義挙
皇帝をないがしろにしている司馬氏に闘いを挑んだ諸葛誕! 呉の孫チンと連携して闘いましたが、城を囲まれ兵糧攻め。 その時のシーンがこちら。
諸葛誕の部下であった蒋班・焦彝が城を脱出。
ゴエモンみたいな顔をした蒋班が、焦彝をすくい上げる
それにしても、お二方とも顔がでかい^^;
・・・ むう・・・、別に挿絵にするほどのシーンでは無い気がする。
こんだけ地味なシーンを書いている割には、文鴦の単騎駆けとか、公孫淵 退治のアクションシーンはえがかれていないんですよね。観点がわからんw
三国志演義後半の拷問シーン
ギザギザの上に正座。膝の上に石板を置く・・・
こ、この拷問具は…、ま、まさかっ!?
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』、小山ゆうの『お~い!竜馬』でも描写のあった…搾め木!? (中略) 「ばか。この島村衛吉は武士だぞ。しゃべるかよ」
気力をふりしぼって毒づいた。 ついに、搾め木の拷問にかけられた。これは土佐藩独特の拷問具で、菜種をしぼって油をしたたらせるようなぐあいに人間を締めあげてゆくのである。
―『竜馬がゆく』文庫本第4巻「惨風」より。
土佐藩特許の拷問具ではなかったのか~! 『龍馬伝』でも、使われていた拷問具は舶来物か・・・。
後藤象二郎「もう一枚いけっ( ゚д゚)!」
それにしても、セットが充実していて「出陣」感が全く無し。
まるで奉行所の中のよう。
よくわからない挿絵
いきなり民王の登場( ゚д゚)
よくわかりませんが、魏皇室の終了間近を伝えたフラグでしょうか・・・。
三国一統される
あれ? でも、孫皓が降伏した頃、劉禅はすでに死んでいた気がするんですが^^; まあ、呉蜀が晋に降伏したというイメージでしょうな。 勢いだけで書いてしまいました。 あ~疲れた^^;
さしたる人物もいない三国志演義後半ですが、見事なまでの『和』な挿絵で物語を盛り上げてくれています。最近の三国志のゲーム、漫画などは萌系、クール系が多いですが、こういう渋い絵もいいですね!