曹芳 曹叡の跡継ぎ 魏の皇帝 傀儡皇帝第1号は僕だ!

どうも! 諸葛菜です!

そういえば、まだ皇帝キャラは書いていないよな・・・。 孫チンとか皇室に連なるやくざは書いてきましたが・・・。

[caption id="attachment_1940" align="aligncenter" width="351"] 画像参照元百度曹芳[/caption]

 

曹芳(生年不詳-273年)

 

物心ついてすぐに皇帝

登場回は演義第106回。 曹叡が若死に。後事を曹爽、司馬懿に託します。

(原文) 曹芳、字は蘭卿(らんけい)、叡がもらいうけた子で、宮中奥深く育てられていたため、その出生は誰も知るものがない。

239年に即位しました。

宮中の奥深くで育った・・・か。この時点で人生の機微を知らない、惰弱なお上になる可能性大です。何も分からない8歳の男の子。曹爽に言われるまま司馬懿を大傅に任命。

また、244年曹芳が13歳の頃、曹爽が蜀漢討伐の兵を起こして失敗しています。りゃあ、何もわからないので、曹爽に「押せ」と言われたら決裁印だってなんだって押しちゃいます。

「お子様皇帝」、「決裁マシーン」と影口を叩かれていた姿が思い浮かび、不憫でなりませぬ・・・(涙)。曹爽の巻き狩りに付いて行っている間に、その大傅に謀反を起こされたり・・・。忙しく、可愛そうな皇帝です。 司馬懿のクーデターの後、しばらくして司馬懿本人が老衰のため死去。後を継いだ司馬師司馬昭兄弟は親父以上に皇帝曹芳を舐めまくります。

 

司馬兄弟の横暴ぶりにホトホト…

  • 帯剣したまま出仕。
  • 政務を自分たちで取り仕切り、皇帝に「報連相」なし
  • その他好き勝手やりたい放題。

曹芳は、司馬師が出仕するたびに震えおののき、背に針を突き立てるかのごとき思いをしていました。司馬師が帯剣したまま出仕すると、曹芳は慌てて玉座をおりて出迎え。

司馬昭は笑って、 「hahaha!天子が臣下を迎える礼儀がありますか?落ち着いてくだされい(笑)」

司馬兄弟がすごいのは分かるけど・・・曹芳様・・・あまりにも弱すぎませぬか?

ムムム・・・やはり宮中奥深く養われ、戦も民の苦しみも知らず、温室育ちだったのがだめだったのか。せめて、慈愛に満ちた民の苦しみを知る庶民派皇帝になって欲しかった。

さて、そんな曹芳も多少の抵抗は試みました。 舅の張緝、腹心の李豊、夏侯玄を呼び司馬兄弟の暗殺をほのめかします。

司馬師は朕を小児の如く扱い、百官を塵芥の如く思っておる。社稷は早晩、彼に奪われるであろう」

3名は曹芳の言葉に感激し、必ず首尾よく討ち取ると言い血判状をしたためました。

しかし、流れ的にこういうことは絶対に漏れます。

参考記事

 

部下に責任転嫁

3名が処刑された後、司馬師は謀主の曹芳宅へ、否、後宮へGO!曹芳と張皇后が密談しているときに司馬師が踏み込んできたもんだからびっくり仰天!

「臣の父親は陛下をお立てし、その功は周公にも劣らぬ(中略)臣ら兄弟を亡き者にしようとは、なにゆえにござりますか!?」

「ち、ち、朕にはそのような心は毛頭ないっ!」

「じゃあ、これは誰が書いたものにござるかっ!?」

血判状を叩きつけられ、曹芳は魂、天外に飛び、魄、九しょうに散って・・・。現代風に言うと「真っ白」って奴ですな。

「これはみな、他の者たちに迫られてしたものじゃ。朕がそのような心をおこすはずがあろうか(汗)」

 

ゲエー!?∑(゚Д゚)

 

全部部下になすりつけたっ!? 死人に口なしとはいえ、これはあまりにも・・・。

「朕が悪かった。ご容赦願いたい」

認めたっ(汗)。 夏侯玄と同様に素手で殴りかかるくらいのことはしろよ・・・。

司馬昭

「陛下、お立ちくだされい。国法がありますからな」

さらに、張緝の娘の張皇后までしょっ引くよう命じました。曹芳は泣きながら司馬昭の足に絡みつき、片足タックルをきめようとしましたが、倒れないのでそのまますがりついて助命懇願。

しかし、哀れ張皇后、練り絹でくびり殺されてしまいました・・・。

そして、廃されて斉王に降格。表向きの理由は「女と酒におぼれて、政務を全然とらないから」ということでした。以後、演義では姿を見せることはありませんでした。

 

巨匠陳舜臣先生の曹芳

それから、これは小説ですが、陳瞬臣先生の「曹操残夢―魏の曹一族 (中公文庫)」のなかでは一味違った皇帝でした。

「皇帝には好きでなったわけではないので、わざと女や酒におぼれた振り」をして、廃されたとあります。

廃帝決定!の報に、―やった!と叫ぶ曹芳が印象的です(笑)。

やっと普通の生活が送れると、うれし泣きまでしてしまいます。陳先生の視点から見た「曹操残夢」。好き嫌いあるかもしれませんが、そういう見方もあるんだなあと面白く読ませていただきました。