張緝(チョウシュウ)李豊 司馬師暗殺計画前にも、司馬氏批判の言動も

どうも! 諸葛菜です。

今回は夏侯玄、李豊らとともに打倒司馬師を目論んだ男張緝です。

参考記事:

司馬氏の専横に対してNO!を叫ぶっ!

司馬氏が専横を極め、臣下が政務を奏上しても司馬師自らが決裁し、曹芳には一言も通さない。張緝は張皇后の父親、曹芳にとっては舅に当たる人物。曹芳は近侍の者を下がらせた後、夏侯玄、李豊、張緝を残し、涙ながらに張緝の手を取って、

司馬師は朕を小児のごとく扱い、百官を塵芥の如く思っておる。社稷は早晩、彼に奪われるであろう」

3名は、

「四方の豪傑を集め、賊めらを誅滅いたすでござりましょう!」 「奸賊が国を乱すのを座視するに忍びませぬ!」 「臣らは心を合わせて賊を討ち、陛下にお報いいたすことを誓いまする」

曹芳は指先を噛み切って血詔をしたためましたが、それでも不安なのか、「董承らが曹操を殺そうとして失敗したし、絶対にこのことは外に漏らすなよ」と念押し。李豊もこれにカチンときたのか、

「これは陛下、不吉なことを!臣らは董承の輩とは違い、また司馬師も武皇帝に比べられる者ではござりませぬ。ご安堵下されますよう」

三人が退出すると、武装兵数百を連れた司馬師が立ちふさがります。司馬師が、張緝ら3名の退出が遅れたことをなじりました。

「お上はどんな本を読んだのかなあ??」

「夏・商・周三代の書物にござります」

「お上はそれをご覧あってどのようなことをご下問あったか」

「伊尹が商をたすけ、周公が政事をとられたことにつきご下問あったので、『今日の司馬大将軍が、とりもなおさず伊尹・周公でござります』と奏上いたしました」

 

お約束っ!やっぱりバレたっ!

なんかもう・・・見え透いたおべっかですし、腹に一物を隠していることを見透かされそうな問答です。あんたらの方こそ董承さんに及ばないぞ・・・。司馬師からは、心では王莽・董卓だと思っているくせに!と難癖をつけられます。

「おべっか使いどもめがっ!先ほどは天子と密室にこもって何をないておったか」

李豊らが違うと言い訳しても司馬師は聞かない。痺れを切らした夏侯玄が、司馬師に殴りかかってしまいます。3人の身体を調べると、血で書いた密書が発見された・・・。曹芳に呼ばれた時点で死亡フラグが立っていましたが・・・まさにお約束の展開に。

3名はそろって市に引き出され処刑。

なぜ、暗殺がよく失敗するのか。 かがみみことさんが、司馬師の記事で書かれたコメントを見てなるほどと思いました。

「敵を抹殺するのに、なにも人数を集める必要はない。一人の壮士がいれば事足りる」

(中略)

一人二人の頼もしい刺客に依頼した方が、外部に漏洩しませんし、成功の確率も高かった。

深イイ~。と思いました。

 

実は以前から司馬氏をこっそりと批判していた?

やっぱり、秘密は本当の秘密にして、一人でことを処理するくらいの気概がないと駄目なんですね。正史と演義では処刑の過程は違いますが、演義本の中でも張緝が暗に司馬氏批判をしたと思われる箇所がありました。 張緝らが殺される前の第108回。

諸葛恪が暗殺され、張緝がコメント。

「諸葛恪は間もなく死ぬでござりましょう」

司馬師になぜかと聞かれて、

「威勢が己の主をしのぐようでは、長く生きておられるはずはござりませぬ」

司馬師はこのとき気づかなかったのでしょうか。いや、気づいていたでしょうな。。。