鄧忠(トウチュウ) 姜維を追い込む若武者っ!牛飼いの息子だからってなめんなよっ!

どうも!

諸葛菜です!

今回は大物武将の息子鄧忠(トウチュウ)。 親父の影に隠れていた感もありますが、武力は父親譲り。 鄧忠(生年不詳-264年)

 

演義では鄧艾とともに頻繁に登場します。

まずは第111回。

姜維夏侯覇軍は魏の王経を破り、大勝。 援軍に来た鄧艾は姜維軍と対峙します。 今まで圧勝であった姜維は、鄧艾に阻まれ、なかなか勝つことができません。南安を奪取しようと試みますが、鄧艾の粘り強い抵抗にあい、糧秣のある上圭というところへ向かいます。

が、鄧艾はもちろんお見通し。 鄧忠・師纂が伏兵し姜維軍を散々に打ちのめしました。 伏兵の不意打ちとはいえ、姜維を追い詰めるとは並の武将ではありません鄧忠。

前回は、陳泰ですら突破されていますし、もし諸葛緒や楊欣ごときが伏兵していても、姜維に腕力だけで突破されていたはずです。

この追撃に鄧艾も加わり、姜維・救援に駆けつけた夏侯覇を取り囲み、姜維を捕獲寸前まで追い詰めます。

しかし、蜀の張嶷が魏の重囲に飛び込み、命と引き換えに姜維を救出。 この戦いで、鄧艾軍は張嶷、鮑素を討ち取りました。

鄧忠の働きもあって魏軍の圧勝。 この功績により鄧忠は亭侯に封じられました。

 

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第112回。 姜維またも北伐。

姜維軍と司馬望軍が対決。 司馬望をかませ犬扱いして圧勝。羅貫中先生も早く鄧艾を登場させたいのか、司馬望をこてんぱんにしてくれます。

姜維軍の背後から突如鬨の声が上がる。

魏の陣中から一人の若年の大将が鎧兜に身を固め、槍を小脇に馬を躍らせて進み出た。年のころは二十歳余り、顔は白粉をはたいたがごとく、唇は朱を塗ったかと思うばかり(原文ママ

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「鄧将軍を知っておるか!?」

姜維に向かって呼ばわる鄧忠。

「これが鄧艾か・・・?討蜀の総元締めがこんな先鋒(ところ)に…?」

姜維、槍をしごいて出馬する。 鄧忠は余裕の表情。

「ワルいね………遊んでもらうよ」

鄧忠は言うや否や姜維と穂先を交わすこと40合。 肩で息をしている姜維に対し、鄧忠の穂先は全く乱れない。 溜まりかねた姜維は、隠し武器であるくさり鎌を繰り出す。 鄧忠、これをあっさりと交わし、姜維はくさり鎌を投げ捨てる。 これ以上まともに打ち合うのは厳しいと判断した姜維は、隠し持っていた彫弓を使って矢を放つ。

「草刈りはもうやめたのかい?」

矢で主人公、または登場したてのメインキャラクターを討つことはできないということなど十分承知していたはずの姜維ですら余りに慌てていたため、こんな簡単な法則も忘れてしまっていたのだ。

矢は当然かわされてしまった。

姜維も仕方なく槍で打ち合うが、鄧忠の槍の柄で腕・胴を殴打される。槍の穂先も姜維の体をかすめ体液が流れる。着実にHPを奪われていく。姜維は戦国漫画の中でも最低の防御力を誇るといわれている横山光輝製の鎧を着用。鄧忠相手にこれでは自殺行為だ。

鄧忠の槍の柄が姜維水月にめり込み、たまらず吐血。うずくまる姜維

姜維茫然自失。 智略でも武力でも鄧艾に負けるとは・・・。

鄧忠は姜維を見下げ果てた口調で言う。

姜維さん、技量ではわたしの遥か上を行くあなたが何ゆえこれほどの遅れを取るのか…………」

さらに、

「磨いた五体(槍)以外の何ものかに頼みを置く……そんな性根が技を曇らせる」

姜維の手が再び彫弓に伸びる。

「お忘れか……あなたはその……卑劣に仕込んだ彫弓に頼っている。もはや救い難い………」

姜維に止めを刺そうとした瞬間、姜維の副将甯随(ネイズイ) らが救援に到着。 多勢に無勢であるため、鄧忠は馬首を返す。

「じゃあな、今度あったときは・・・素手だ!」

言い残し、鄧忠は去った。

姜維

「む、無念。逃げられたか(汗)」

このあと、対戦した相手が鄧艾ではなく息子の鄧忠であったことを知り、姜維は意気消沈した。

民明書房より

 

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すみません。 長くなってしまいました。

この後、第113回、114回で姜維VS鄧艾があるのですが、鄧忠は出てきません。