正史を知らない三国志ファン、三国志演義ファンも楽しめる三国志人物外伝を読もう!

どうも! 諸葛菜です。 今回は久々のレビュー記事です。

羅憲やその他の出落ち武将執筆の際にお世話になっている文献をご紹介。 記事中ではちょこちょこ紹介していましたが、三国志三国志演義好きが知らないことがたくさん載っている読みやすい本なので改めて紹介します。

演義に登場した有名武将のホントのところ

三国志演義に登場しなかった武将、史実と異なる出来事を拾い上げて、人物外伝として伝えている一冊。

私は正史を読んだことがないので、普通に楽しめました。

面白かった~、知らなかった~というお話をピックアップしてみます。

  • 曹操を助けたのは陳宮ではなかった。
  • 漢の臨検査察員督郵をボコったのは誰?

黄巾族討伐で功のあった劉備玄徳は安喜県の県尉となりました。 三国志演義では、賄賂を要求する中央からの役人督郵が、劉備に対して袖の下を要求、劉備は賄賂を渡さなかったため、督郵は数々の非礼を働きました。それに怒った張飛が督郵を木に縛り付けて、ムチでビシバシ叩いた話は有名です。

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ですが、『蜀書』では違います。 劉備が督郵に会見を求めたところ、拒否されたため「免官になる」とあせった劉備は部下を率いて督郵を縛り上げました。しかも、杖で100回以上ぶっ叩くという…。 ムチじゃなくて、杖です。

 

出世が出来ない趙雲

演義では、趙雲は五虎将ですし、三国志の物語でも英雄、主役級のインパクトを持っていますよね。 大活躍しているのでわかりづらいですが、彼の役職は低かった。。。 阿斗を救ったり、曹操を撃退したり数々の功績を上げたのに…。理不尽とも言える扱い。 ですが、羅貫中の執筆のお陰で、現在の趙雲人気は保たれている事がわかりました。

 

人のものを欲しがる関羽

関羽と言ったら、義に富んで知勇兼備の猛将。清廉潔白のイメージがありますよね。 正史では人間臭いところも書かれていて、呂布の部下に秦宜禄(しんぎろく)というものがいて、秦宜禄の妻が美人なので、「嫁に欲しい」と、関羽曹操にお願いしたそうです。 曹操は「そんなに美人なのかよ」と思い、見てみたら本当に美人だったので、自分のものにしちゃったそうですw 哀れ、関羽^^;

三国志人物外伝 亡国は男の意地の見せ所 (平凡社新書)

呉の孫氏一族が短命

演義を読んだり、三国志シミュレーションゲームをしていると、孫堅の家族は早死するのが多いですよね。 孫氏の一覧があって、死んだ年齢、死因などが書かれているので、面白く読めました。

呉の孫氏が短命なのは、孫策様に殺された于吉さんの呪いかと思っていました^^;

 

もちろん、演義後半が好きだという物好きな皆様にも楽しめるネタもございまするぞ!

  • 演義では書かれなかった羅憲将軍の活躍
  • 晋に降伏した後も、毅然とした態度であった諸葛靚。
  • 末期呉の孫皓時代、大国晋に対して堂々とした外交を行った紀ショウ。

などなど、演義三国志しか読んだことのない私にとっては、新鮮で楽しい内容のものがたくさんありました。 正史を極めた人にとっては物足りないかもしれませんが、坂口氏の独自の視点や「司馬家嫌い」をアピールした『孫皓』のお話など、語り口も面白く読みやすいです。