呉・三国志を発見!こんな小説あったの?!ロンドンオリンピックの話とか

どうも! 諸葛菜です!

どこのブログやサイトでも書いてあることですが…オリンピック最高です!

寝不足になりますな。 仕事なんかそっちのけでいいわっ!∑(゚Д゚)日本のメダル候補が志半ばで散っていく中、全体としてはメダルをがんがん取得していますね!

柔道の日本人選手の試合は見ていて本当に面白い!浦沢直樹先生の「YAWARA」並みの緊迫感です。メダルの色は関係なく、見ていて満足の行く試合ばかり。

ただ、昨日の男子81kg級の試合だけは残念。 あれだけ寝技で完膚なきまでにやられるとは…亀になるのが不用意すぎたし、寝技への切り替えがいまいちだった。

と、寝技好きの自分にとって悔しい試合でした。

さて、三国志のお話。 久々に古本屋を散策していたら、思わぬ三国志本を発見。

伴野朗『呉・三国志』のハードカバー版第五巻です。 「後」じゃねえっ!「呉」だっ!

呉・三国志 長江燃ゆ〈1〉孫堅の巻 (集英社文庫)

こんな本があるとは…知らなんだ。立派な装丁ですし、有名な小説なのかな。本棚に2~5巻まで鎮座ましましておりました。三国志後半好きな自分にとっては、最終巻目当てっ!赤壁の戦い、夷凌の戦い、石亭の戦い…この辺は前半で読んだので、放っておいて…最終巻をパラ読み。

諸葛恪だの公孫淵だのカン丘倹だのが、えらそうに頑張っていたので購入を決意。二宮にも触れていて、陸遜たちが巻き込まれています(汗)。

こいつは…買いだっ!(゚Д゚)

孫朗が活躍する物語

まだろくに読んでいませんが、孫朗が主役で頑張っているようです。

人物紹介では、

孫堅庶子で五男。縄術の名手で、諜報組織「浙江耳」を率い、頭領として異母兄・孫権の片腕となる」

戦ではあまり役に立ちそうな技は持ち合わせてはいませんが、捕獲、捕虜をしばく時にはピカ一の技です。確か三国志演義では名前しか出てこなかった気が。

ゲーム三国志7では全てのステータスが45未満ですし、やたら短命なうえに子種も無かったので留守番太守にもなりませんでした。

三国志7の孫朗。諜報部隊ならではの「諜報」「偵察」といった能力は無し。

城壁を修復する「修復」能力のみ。

そんな孫朗ですが、「呉・三国志」では主役級の扱いです。小説自体も楽しみなのですが、この小説を書いた作者の人となりを知りたいので、あとがきへワープっ!(゚Д゚)

 

あとがき

(中略)「日本人の三国志」は、吉川三国志の影響もあって、234年の五丈原での諸葛孔明の死で終わるのが普通である。 だが、ここで切っては、真の三国志ではない。蜀がいかに滅び、魏がいかに司馬氏に簒奪され、呉はいかにして西晋に滅ぼされたか。その事実は、あまり知られていないのだ。そこまで語って、初めて真の三国志と言えるのではないか」

まさに…! 孔明死後にここまで魂を傾けた作家がいたとは。特に呉はあまり目を向けられていないので、この小説は価値があると思います。

主人公の孫朗については、

「架空の人物ではない。『三国志』の本文には出てこないが、裴松之の註に出てくる人物である。彼を呉の情報組織「浙江耳」の頭領として活躍させた。『呉書』の「孫破虜討逆伝」の注で、孫朗を発見した時、この小説はできた、と思った。彼の視点で見た『三国志』、といえるかもしれない」

『(中略)の注で、孫朗を発見した時、この小説はできた』と、直感し、ここまで小説を書き上げたのは凡人の才ではないでしょう。注、註って・・・本当に地味だな孫朗。。。

ウィキにあるように、 正史では、「魏の曹休が攻めてきたとき、孫朗は呂範と共にこれを防いだが、このとき、軍用資材を自身の不手際から焼失する失敗を犯した。これに兄の孫権は激怒し、孫朗を皇族から追放して丁姓を名乗らせると共に、彼を投獄した。そして孫朗は、獄中で死去したという。」

彼のどこに魅力を感じたのかは分かりません。 ただ、伴野先生から、私諸葛菜と同じにほいを感じまする…。 また、この作品を書くに当たって伴野朗先生は相当しんどかったようで、苦労話も書かれていました。

「この小説を書き出したのは1993年12月だった。足かけ7年もかかったことになる。連載したわけでもない。書き下ろしなら一気に書くのに、珍しいことである。これには訳がある。すぐに単行本にはならないことだった。私にも生活がある。別の小説を書かねばならなかった」

(中略)

「『呉・三国志』を書いていることを知っている評論家からは「早く書け」と叱責を浴びたものだ」

(中略)

「最後は視力が低下し、十巻などは老眼鏡をかけた上、虫眼鏡で一字一字マス目を埋めた。まるで“遺書”を書くような心境だった」 伴野先生は1936年生まれで、2000年当時は御年64歳。大先輩です。

生活がかかっているとか、年の割りに生生しい事も書いていて親近感も増しました。視力も低下し、老眼鏡&虫眼鏡のコンボで「呉・三国志」を執筆。並々ならぬ精力を傾けていました。伴野先生の視力を奪った評論家ども、こいつら鬼ですか? ジャンプの編集部並みに、作家を人と思っていません。

「呉・三国志」はハードカバー版が全5巻。

文庫版は全10巻です。文庫版の挿絵は迫力満点。ホラー入っています(汗)。個人的にはハードカバー版の方が好きかな。

そんな、伴野先生の呉三国志、これから堪能してみますっ!