諸葛亮孔明 死してなお、蜀の民を守る英雄
どうも! 諸葛菜です! 孔明が死んでからの三国志なのに、諸葛亮が出てくるなんておかしくないか!? ですが、守護霊となって蜀を守ったエピソードは有名です。
鐘会の続編となってしまいますが、蜀攻防戦では孔明も出てきたのですよ。
傅僉・蒋舒の守る陽安関を撃破した鐘会は、武器・糧秣の莫大な蓄えに喜び一安心。 この夜、魏の軍勢が陽安関で宿営していると、西南の方に鬨の声が上がった。 鐘会らは驚いて、周囲を見ても全く軍勢の気配が無い。魏の軍勢は一睡も出来ませんでした。
翌日の昼ごろ、またしても西南の方で鬨の声が上がります。物見を出しても、10里以内には誰もいないとのこと。鐘会は自ら数百騎を率いて、山のふもとまで見回りに出ると、たちまち四方から殺気が立ち上り、山頂を覆い隠しました。
この山は定軍山。かつて夏侯淵が討ち死にした場所。 鐘会が憮然としているところに、激しい風が巻き起こり、数千の軍勢が躍り出し、風に乗って殺到。鐘会は馬を飛ばせて逃げたが、大将たちは次々と落馬。 関に戻って調べてみると、死んだ者は無く、かぶとをなくしていたり、擦り傷だけで済んでいました。
降将蒋舒によると、定軍山には諸葛亮の墓があるとのこと。 鐘会は慌てて供物をそろえ、墓参りをして諸葛亮の霊を慰めました。 この夜、鐘会が幕中でうたた寝をしていると、羽扇、身に道ほうをまとい、白い靴に黒い帯、顔の白く、真っ赤な唇、眉目秀麗の身の丈八尺のイケメンが幕中に入ってきました。
知らない人がいきなり入ってきたら、普通
「で、出会え~~~~い!!」となるはずですが、
「貴公はどなた様でござりますか・・・?」
と起立して挨拶する鐘会。
「今朝ほどは鄭重なあいさつを受けてかたじけない。一言だけ申したいことがあって参った。漢の国運のすでに衰えたのは、天命ゆえいたしかたないが、両川の(蜀)の人民は罪も無いのに戦いに悩まされ、真に哀れな有様である。そなたはかの国にはいったなら、人民をみだりに殺さぬよう心してくれい」
これは鐘会がみた夢。
諸葛亮が幽霊となって、侵略者鐘会に蜀の人民を救うべくお願いに参ったもの。 鐘会は「保国安民」と書いた旗を立て、蜀へ入った。民のものを一切奪いませんでした。 『天空戦記シュラト』みたいに、回想シーンばかりを使うことができないのが、三国志演義。 羅貫中も諸葛亮好きなので、さぞかし回想シーンで登場させたかったのでしょう。霊魂や諸葛瞻作の木造孔明などを使って再登場させているあたりが、とてもにくい演出です。
後の人が武侯をたたえた詩に、
数万の陰兵 定軍をめぐり 鐘会をして霊神を拝せしむるを致す 生きては能く策を決して劉氏を扶け 死して尚 言を遺して蜀の民を保てり
孔明の幽霊が蜀の人民と長い戦争から救いました・・・が、愛弟子の姜維のことをどうして守ってあげなかったのおおっ!?
と、姜維ファンとしては言いたくなるでしょうなあ・・・。